kajitsu 嘉日
2009年 05月 07日
オーナーは京都の老舗生麩メーカー、麩嘉。麩饅頭で有名ですね。
京都の嵐山吉兆で修行され、軽井沢の蕎麦会席・東間で2年間勤められた西原さんが表で,キッチンでは同じく京都紫野の和久傳で修行された方が腕を振るいます。
(余談ですが、行ったことのない和久傳はワク『セン』だと思い込んでいた私… 変換しても出てこないので調べて初めて気付きました。お恥ずかしい)
店内は比較的天井の低い空間にカウンターとテーブルが。
奥行きがあるのと隣の組との空間が大きく取ってあるので狭く感じたりはしません。
なんでも京都の宮大工さんが手掛けられたという内装は木の良い味と渋い色みの塗り壁が柔らかく控えめで、江戸時代からある茶釜に湯は沸き、松栄堂のお香もたかれているせいかまるでお茶室です。
これで畳と坪庭なんてあったら更にいい感じです。
今のところメニューは月替わりのコース2種のみ。
5月は京都から若竹が入るので通常より$5アップとのこと。
胃袋の大きい私達は迷わず$70の方を。
寄せ蓮根 蓮の実和え
梅肉醤油の紫蘇わさび風味
春若芋の蓮射込みのお椀
人参松風の白味噌風味
とうもろこし飯蒸しとほうれん草の白和え
手打ち蕎麦
京都産焼筍 一寸豆とアルグラ添え
粟麩の真砂揚げと季節野菜の天麩羅
えんどう豆御飯と玉露のふりかけ
自家製漬物
自家製菖蒲きんとん ブルーベリー添え
お薄と落雁〜京都鍵善良房より〜
スバラシイ!
お蕎麦や生菓子など何もかもが手作りということにおいても、おもてなしというお茶の基本においても、人々の物腰から声のトーンまでが柔らかく心地いい。開店から2ヶ月目ですが、先月のメニューで方々から苦言を呈された点は随分お勉強なさったのではないでしょうか。
あえて、出汁の話だけすると鰹出汁の3Dの奥行きを知ってる舌には昆布出汁とお醤油ベースでは2Dに感じてしまうのです。しかし動物性の物で知らず知らずの内に焦点を遠くに持って行かた毎日の食生活の中で、2Dを味わうことによって『目の前にある物事を観察する』良い時間を過ごせたのも事実です。
ここに、他の命を奪わない禅を学んだ、、、様な気になっただけです。
花粉症で薬を飲んでもかなり舌と鼻に自信がないこの数日なんですもの(涙)
しかしながら改めて、伝統と確かな技術に裏打ちされた丁寧な仕事と、お肉や魚を使わずにここまで満足の行くお料理が頂けるお店がNYにできる日が来るとは思ってもいませんでした。きっと在NYの日本人誰もが驚き、海外における和食のレベルが底上げされたと感じたのではないでしょうか。日本人はもとより、ヘルスコンシャスやベジタリアン人口の多いNYには新たな和食の時代の到来であることは間違いありません。
来月は何が頂けるのか、今から楽しみです♪
Kajitsu
414 East 9th Street(between 1st Ave and Avenue A)
New York, NY 10009
www.kajitsunyc.com
p: 212. 228. 4873
家からの所要時間:徒歩約20分…が、この日はタクシーで約6分。
コンプリメントでデザートにもう一品頂きました。
上に蕎麦の実と、タスマニア島産のペッパーが。
ほうじ茶とキャラメルで2倍の香ばしさ
+
蕎麦の実と飴がけのパプリカで歯ごたえ
+
パプリカ2種とペッパーでアクセント
これらがフレッシュな酸味のあるフルーツとまろやかで冷たい豆乳アイスと一緒になってるんです。
想像出来ますか?w
随分前から甘味にスパイスをきかせるデザートがメインスストリームにある様な気がしますが、面白い一品でした。
楽しく美味しく頂きましたよ。
同行してくれた友人達と、すてきなおもてなしをしてくださった嘉日の方々に大感謝です♪
by may917 | 2009-05-07 18:40 | 夜